子供心に憧れたグリーンマックスさんのストラクチャーキット
小学校6年生のころ鉄道模型を始めて、当時憧れていたのがグリーンマックスさんのストラクチャーキットでした。
グリーンマックスさんの生活感あふれるストラクチャーは、当時流行っていたガンプラや戦場ジオラマなどとは全く違う「日々接している日常」をそのまま表現しており、そのリアリティに心ときめかせたものです。
特に当時の私が好きだったのは、団地(公団住宅)と跨線橋でした。
ところがグリーンマックスさんのキットも、小学生の私には高くてなかなか手が出せないものでした。
中学生になって私はレイアウトを作り始めました。
A0サイズの製図板を2つ繋げて作った土台に、トミックスさんのレールを敷いたもので、私にとってはかなり巨大でした。
配置した駅はトミックス製の木造駅舎。あとは3軒連なった商店セットも持っていたと記憶しています。
学校から帰っては発泡スチロールで地形を作り、レールを敷設し、線路にバラストを撒いて固めて…といった作業を進めていましたが、ある時気づいてしまったのです。
「このサイズのレイアウトを完成させようと思うと、たくさんの建物がいるぞ…」
私は先のことを考えて途方にくれてしまいました。
建物を最小限にしても、トンネルもあるし山の木々は必要だ、しかも相当な本数が…
建物や木々を減らすならレールを増やす?でも、レールが多すぎるレイアウトは私の目指すところではありませんでしたし、それも高くつきます。
中学生の懐事情では少しずつ買いためていくしかない現実を痛感し、あまりにも完成が遠すぎて、心が折れてしまうのでした。
そんな時、行きつけの模型店で見かけたグリーンマックスさんのキットをよだれを垂らしながら見ていた私は、なけなしの小遣いで買ったのが「アーケードと地下入り口」のセットでした。
地上には立体造形をいくらでも作り足せるジオラマですが、地下空間の存在まで想像させるこの地下入り口は私の心を掴みました。
正直に申し上げて、当時私が作っていたレイアウトには、この地下入り口とアーケードは必要ありませんでした。
アーケードを建てるほど店も並んでおらず、地下道があるほど大きな街でもありません。
それでも、このグリーンマックスさんの製品は、組み立てて眺めているだけで想像力を掻き立てられ、楽しめるものでした。
そして、この「アーケードと地下入り口」は小遣いで買える値段でした。
これは30年以上前の話です。
タイトルの20年前に買った3階建て商業ビルの話は、もっと後のことになります。
前置きが長すぎましたね。
中学生の私が作っていたレイアウトは、結局高校入学を機に製作をやめてしまいました。
遠方の高校に進学し忙しくなったこともありますが、何よりも数年の月日と予算をつぎ込むことが難しかったからです。
「大人になったら再開するぞ」と誓い、解体し全て手放してしまいました。
大人になってもワクワクするグリーンマックス製品
そして20年前。
20代後半の私は、当時一緒に暮らしていた女性(現在の妻)と一緒に小さなジオラマを作り始めました。
彼女は山の中を流れる川と1軒の藁葺き屋根の家を作っていました。
トミックスさんの「わらぶき農家」です。
私は街中の風景を。
共にA4サイズのボードにそれぞれの風景をNスケールで作りました。
レールはありません。
この時私が買ったのが、グリーンマックスさんの3階建て商業ビル4棟セットでした。
グリーンマックスさんの製品は、20代になった私が見ても相変わらずワクワクするものでした。
時は平成でしたから、グリーンマックスさんの建物は、この時すでにノスタルジーの領域にあったと思います。
昭和の高度成長期に出来た建物たちは、昭和48年生まれの私にとって懐かしく、実際に触れてきたものたちでした。
シャビーな塗装をしたり、川を作ったり、コツコツと製作を進めていましたが、今度は私の長期入院を機に、またもや完成を断念することになってしまったのでした。
しかし今度は解体して手放すのではなく、全て段ボール箱にしまい、いずれ再開する時のためにとっておいたのです。
それが、この写真の3階建て商業ビルです。
当時組み立てて塗装したビルもそのまま大事にしまっておいたので、ところどころパーツは外れていましたが、ちゃんと元の姿で蘇ってくれました。
残りの部品も箱に入れて保存しておいたので、まだ2棟分は手つかずのままです。
そして最近、ネットでさらに買い足しました。
パッケージや名前こそ変わりましたが、中はほとんど当時と変わっていませんね。
新しく説明書が封入されていますが、当時のものは箱に直接説明が書いてありました。
グリーンマックスさんの昭和時代からあるストラクチャーキットが、今も変わらずに販売されていることが嬉しくてたまりません。
現実の世界では、街の風景は平成から令和にかけて建てられた美しい建築物に取って代わられようとしています。
もちろん、それはそれで洗練された清潔感あふれる街が最高に魅力的でもあり、なによりも生活する上で快適でもあります。
それでも、街なかでグリーンマックスさんの商業ビルとそっくりなビルを見かけると、心がウキウキワクワクしてしまいます。
いずれ全ての建築物が新しくなるのでしょうが、日本中の150分の1のレイアウトの中で生き続けると思うと感慨深いものがありますね。
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